のっけからみなさんクイズです。
１２月１３日までに生理が来なくて正月に体外受精をすることを断念した私は、どんな行動をとったでしょうか？
次の３つより選んでくださ～い。
① 泣きあかす
② 飲んだくれる
③ その他
ピンポーン！答えは③その他ですよ。
不妊治療を始めてから泣いてばかりいたし、イライラを酒で解消なんてオッサンみたいなことばかりしていたけれど、泣いている暇も飲んだくれる暇も私にはなかったのである。
『何もしない＝無駄な時間』としか思えなくなった私は、正月の体外受精が駄目なら、じゃあ次へいってみよう！と行動を起こしたのである。
切りかえしが早いというか、懲りない奴というか・・・。
１２月１７日病院にて、
私 ：「正月に体外受精をする予定でしたが、生理が来なかったので今回体外受精はできません。念のため腹腔鏡検査を実施している病院に、１月の３連休に腹腔鏡検査をしたいと問い合わせたら、あと２人手術の枠がありますと返事が・・・。可能なら１月１０日に腹腔鏡検査を受けたいと思います。駄目ならまた考えます。」
ドクター：「腹腔鏡検査を先にやった方がいいよ。いろんなことがわかるから。あなた若いから。３７歳とかじゃないから」
私 ：「３０歳になってしまいましたけど。紹介状を書いていただけますか？」
ドクター：「うん、いいよ。今書いてあげるね」
私 ：「やはり、体外受精はゴールデンウイークや夏休みを利用してやりたいです。その方が少しは体が楽だから」
ドクター：「うん、いつでもいいよ。それはあなたが決めることだから」
私 ：「・・・」
ドクター：「１月１０日までもう時間がないから、早く病院へ行って予約してきてね。そして術前の検査を受けてきてね」
翌日私は、腹腔鏡検査を実施する病院へ行き、すべりこみセーフで受けることになった。
なぜ私が１月１０日に腹腔鏡検査を受けると決めたかって？
それは１月から３月の間の３連休で、しかも生理ではない時期っていつだ？と考えたときに唯一あてはまったのが、１月１０日だったからだ。
不妊治療の難しいところは、生理周期に左右されること。
生理がいつ来るかなんて、本人だってわからない。
だからすごくイライラするし、やりにくい。
時間は足早に去っていく。
年が明け、私の秘密の入院が迫ってきた。
そう、今回の入院を知っているのは夫とごく数人の気心知れた友達と不妊患者のグループの仲間のみ。
親も兄弟も職場の人も、まったく何も知らない。
そのためバレないように「裏工作」が必要だった。
まず、入院に必要な証明書の連帯保証人は友達に頼んだ。
入院中に親から電話がかかってきたら面倒なので、直前に元気な顔をみせに行った。
職場は２日間休みをとる予定のため、本当は風邪なんかひいていないのに、わざと咳をして風邪オーラを出しておいた。
心の不安はどうしたかというと、第１話に登場したガン治療中の友達にメールして、ぐちらせてもらった。
「ちょっと入院してくるよ。
腹腔鏡検査って、おなかに３カ所
穴をあけるんだよね～。
全身麻酔なんだよね～。
術前にあそこの毛、
剃られちゃうんだよね～。
超恥ずかしい」
いよいよ１月９日（木）、
「風邪のため休みます」と会社へ電話をし、病院に向かった。
ＡＭ１１：００ 入院
ＰＭ１２：００ 食事
ＰＭ １：００ 看護師さんから病棟と検査の説明
ＰＭ ３：００ 剃毛（腹から２／３はつるつるに剃られ、残りの１／３はそのまんま。手術に邪魔なところだけ剃ってくれたのだか、かなりマヌケ）
ＰＭ ４：００ 麻酔の先生から説明
ＰＭ ６：００ 食事
ＰＭ ６：４０ 風呂に入る
ＰＭ ９：００ 就寝
バタバタしているうちに一日が終わった・・・。
１月１０日（金）いよいよ当日
ＡＭ ６：００ 起床
ＡＭ ６：１０ 顔を洗う
女性雑誌「Ｏｇｇｉ」を眺めて時間をつぶす（さすがに、活字を読む心のゆとりはなかった）
ＡＭ ７：００ 浣腸
（また「Ｏｇｇｉ」をパラパラとめくる）
ＡＭ ７：４５ 歯みがきをし、荷物をまとめる
ＡＭ ８：２５ 点滴開始
ＡＭ ８：３０ 筋肉注射を打つ
ＡＭ ８：４５ オペ室へ向かう（「眠くなる点滴を入れますよ」と言われた直後から、記憶が途絶える）
ＡＭ１１：００ オペ室を出る（目が覚めた瞬間、お腹がイテッと思ったので、手術が終わったことがわかった。）
ＰＭ ２：３０まで ３０分おきに熱、血圧、脈をはかる
↓
翌朝まで 安静
１月１１日（土）
ＡＭ ７：３０ ベッドを９０度にして、重湯をすする。
ＡＭ ９：００ 歩いて診察室へ行き、ドクターの診察
ＡＭ１０：００ 体をふいてもらい、尿管をはずす
ＰＭ１０：００ 点滴終了
１月１２日（日）
終日病院内で過ごす。
～日記より～
検査といえどもオペだよオペ。
こりゃ立派な手術だよ。
腹は痛いし、全身麻酔の影響で声はガラガラ、唇は腫れる。
オマケに微熱が続く。
１月１３日（月）祝日
ＡＭ１０：００ 夫が病院に迎えにきてくれて、退院！
１月１４日（火）
何事もなかったかのように、出勤。
こうして、秘密の入院は無事終了した。
気になる結果は、重くはないが左側の卵官と子宮境界部に癒着があって、しかも卵巣自体が腫れていた。
そのため左側はピックアップ障害だった。
ピックアップ障害とは、きちんと排卵されているのに卵官采というタマゴをキャッチする卵官の先が癒着を起こしたりして、うまくタマゴをとりこめない状態のこと。
つまりこの状態では、精子と卵子が出逢えないのだ。
もちろん不妊の原因である。
右側の卵巣もその影響で腫れているが、問題はない。
子宮内膜症（軽度）と診断された。
この検査を担当した医師が以下のようなコメントを。
「第１子は体外受精でつくって、第２子は後から考えれば？
あなたの通っている病院は、体外受精専門病院だし。
あとは、主治医と相談してください」
トホホ・・・。
でもこのときはまだ気丈でいられたのだ。
