2002年1月、不妊治療の扉を開いてしまった。

不妊に関する知識を全くもっていなかった私は、仕事（フルタイム）をしながら病院へ通うのは、大変そうだ。
だったら、職場近くの病院にしよう！
とインターネットで検索、見事ヒットしたのは、某有名不妊治療クリニックだった。

「結婚をしていますか？」「不妊期間は何年ですか？」「中絶したことがありますか？」などなど、細かい問診表を記入後、ドクターとご対面。
産婦人科デビューの私は、極度の緊張で、しかも怖くなって泣きそうだった。
そんな私に、ドクターはやさしく不妊一般検査の方法を話してくれた。
5分くらい話した頃だろうか、ドクターは基礎体温表をみながら、
「今日は生理開始9日目だから、12日目にフウフカンケイを持って、翌日来てね。」
といった。
私は、意味がわからずドクターをみつめた。
「い〜い。１２日目に、フウフカンケイを持って、翌日来るんだよ。」
と、ドクターはまたいった。
それでも私の頭の中は　？　だった。
このやりとりを数回したころ、私ははっと気がついた。

「フウフカンケイって夫婦関係？
もしかして、もしかして、セックスするってこと？」
「えっ？」と思いながら、こくりと頷いた。
不安で怖くて声が出なかったのだ。

その後、看護師さんから再度同じ説明を受けた。
私がよっぽどショックな顔をしていたのだろう、看護師さんは神妙な顔をしていた。

なっ、何で、初めてあった人（ドクター）にセックスの日を指定されないといけないの。
しかもフウフカンケイなんてい言い方、火サス（＊）の取り調べシーンのようじゃん。何なの、一体。
家に着き、仕方がないので夫にこういった。
「○日にして、次の日病院へ行くんだって。」

子どもがほしくてほしくてたまらない夫は、一瞬上をみて考える表情をしたが、
「うん、わかった。」そういった。

○日生理開始12日目の夜、やることをやって、
翌日私は病院へ向かった。

（＊）火曜サスペンス劇場